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【今週の星占い】ラッキーエンタメ情報(2019年10月21日~2019年10月27日)

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この世の終わりでも来たのかと思うほど、心をかき乱されるようなニュースが続いている昨今。水は低きに流れるもので、あまり一つの焦点にとらわれ過ぎないよう、目線を少し別のところへと向けてみるいいタイミングなのかもしれません。これまで少し意識していなかったような過去からのご縁や、無意識に避けていた苦手な事柄から、意外な発見や新たな気づきを得るいいチャンス。

いま身の回りに起きている、まるで天変地異のようにも感じられるような出来事の中には、改めて自分自身の置かれている環境のなかに「ちょうどいい関係」を見出すための、客観的な視点や、これからをどう生きていくのか、先々のことを見渡すチャンスが含まれているようです。

避けることができない辞令や命令、潮時を見極めた引退、プロジェクトの解散や終了、法律やルール遵守による活動制限、事業の強制終了やネットワークの遮断、といったトピックスが一気に表に出るかもしれません。中には理不尽さを感じるようなものに出くわすこともあるでしょう。何度も繰り返される問題の根幹に対し、耐えていたものや鬱憤が、大きな力となって噴出するような出来事もありそうです。

ただ、表に出た情報や事実の衝撃度は高くても、それがすぐに鎮静化するわけではなさそうです。一度決めたことが撤回されたり、内容を改めて調整したり、関わる人達にとって最もリスクやコストがかからないような配慮、優しさ、思い遣りがどこからともなく叫ばれ、穏やかな収束に向けて、ゆるやかな変化が訪れるでしょう。

暗い話や最悪な想定に気を取られ過ぎず、振り返らずに前向きにいきましょう。時代は確実に先へ先へ進んでいきます。旧いものから新たなものへ変わることを象徴するかのような、あらゆる節目にフォーカスがあたる一週間になりそうです。

 

【タロットのお告げによる ラッキーポイント】

星占いの12星座がもつ性質や性格の傾向から
「火・土・風・水」4つのタイプ別にラッキーポイントをお伝えします!

〈火の星座〉のあなたへ
牡羊座(3月21日~4月19日 生まれ)
獅子座(7月23日~8月22日 生まれ)
射手座(11月22日~12月21日 生まれ)

言ったことには責任が伴います。あなた自身がスッキリしたくてやったことが、相手にどう影響するのか、あなたが周りからどう印象を持たれるのかを考えてみて。覆水盆に返らず、となっても当然の結果かもしれません。

〈土の星座〉のあなたへ
牡牛座(4月20日~5月20日 生まれ)
乙女座(8月23日~9月22日 生まれ)
山羊座(12月22日~1月19日 生まれ)

そのままでいいんだよ、という言葉には甘い罠が含まれているかもしれません。ライバルを減らすために、心地よい言葉で距離を取られている可能性大。言葉通り受け止めるのは考えもの。なぜそういうことを相手が言うのか観察してみて。

〈風の星座〉のあなたへ
双子座(5月21日~6月20日 生まれ)
天秤座(9月23日~10月22日 生まれ)
水瓶座(1月20日~2月18日 生まれ)

今回ばかりはもうお手上げ!何も考えられないし、何もしたくない。そんな投げやりな気分になったら、休むときは休む!と割り切ってしまうのが良さそうですよ。実は自分だけがマジになっていて、周りはそこまで気にしてないかもしれません。

〈水の星座〉のあなたへ
蟹座(6月21日~7月22日生まれ)
蠍座(10月23日~11月21日 生まれ)
魚座(2月19日~3月20日 生まれ)

ちょうどいい関係、にも色んなニュアンスがあって、自分と相手の温度差が明らかになるようなことがありそう。怒りを感じたとしても、もともとそこまでのものではなかったんじゃないかしら。諦めることが肝心だ、と悟るのかもしれません。

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パリ・オペラ座バレエ団、3年ぶりに来日 2020年日本公演で『ジゼル』『オネーギン』を上演

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輝かしい歴史と洗練された舞台でバレエ界に君臨するパリ・オペラ座バレエ団が、2020年、3年ぶりに来日することが決定した。

バレエを愛した国王ルイ14世によって創設されてから350年以上 、世界最古の歴史をもつパリ・オペラ座バレエ団は、ゆるぎない伝統と絶え間ない革新により世界のトップを走り続けている。
この最高峰のバレエ団は、カリスマ的なエトワールだったオレリー・デュポンが2017年に芸術監督に就任し、新たな時代を迎えている。デュポンが新たに抜擢し、育てつつあるエトワールや若手たちをともなって、彼女の就任後2度目の日本公演が東京文化会館にて、実現することになった。

今回の公演で上演されるのは、19世紀にパリ・オペラ座バレエ団によって初演されたロマンティック・バレエの名作『ジゼル』。そして、20世紀の物語、バレエの天才振付家ジョン・クランコが創作し、観客はもちろんダンサーたちが踊ることを夢見る傑作『オネーギン』。『オネーギン』は、クランコを創設者とするシュツットガルト・バレエ団以外の外来バレエ団によって日本で上演されるのは初めてとなる。

『ジゼル』全2幕

Photo: Svetlana Loboff/OnP

Photo: Svetlana Loboff/OnP

内気で病弱、でも踊ることが大好きな村娘のジゼルが恋に落ちたのは、じつは貴族の生活のしがらみから逃れてお忍びで村を訪れていた青年アルブレヒト。しかし青年の矛盾した背景が明らかになったとき、ジゼルの心は崩壊し、死を経て、彼女は異界の住人となってしまう。そこでジゼルとアルブレヒトを待っていたのは、魔性の精霊ウィリたちとの激しい葛藤のさだめだった……。

バレエ史に燦然と輝く名作『ジゼル』の初演の誉れを担ったのは19世紀の パリ・オペラ座。夢幻
の輪舞を踊りながら、夜の森を支配する魔性のウィリたちと、その仲間となりながらも 、なおも恋人を守るヒロインの至高の愛の物語は、ロマン主義作家ゴーティエの原案によるもの。

本作初演の名誉をになうパリ・オペラ座バレエ団では、長い間、“ジゼル”を踊ることができてこそ一人前のエトワールであるといわれ、彼らにとっては神聖な作品である。装置と衣裳はバレエ・リュス蘇演当時の伝統的でシンプルなもの。それゆえに踊り手の実力が明らかになる古典の舞台で、若きエトワールたちの競演を堪能しよう。

【あらすじ】
ぶどう栽培を営む村。母親とともに暮らす娘ジゼルは、ある若者──じつはシレジア公爵アルブレヒトと恋に落ちている。ジゼルは踊ることが何より好きだが、母親は心臓の弱いジゼルの体を心配し、「そんなに踊っていると、ウィリになってしまうよ」と言ってやめさせる。そんなとき、貴族の一行が狩の休息にやってくる。その中に婚約者バティルドの姿を見たアルブレヒトは身を隠すが、ジゼルを慕う森番ヒラリオンがアルブレヒトの正体をあばく。真実を知ったジゼルは正気を失って息絶える。
夜。妖気漂う森の中で、ウィリとなったジゼルが墓から現れる 。深い悔恨の思いで墓を訪れたアルブレヒトは、いまやジゼルの仲間である、魔性のウィリたちに捕まるが…。

 

『オネーギン』 全3幕

Photo: Julien Benhamo OnP

Photo: Julien Benhamo OnP

本作は、世界屈指のバレエ団がこぞって上演し、ダンサーたちが踊ることを夢見る、天才振付家ジョン・クランコによる奇跡のドラマティック・バレエ。舞台となるのは1820年代のロシアの、素朴な人々が暮らす田舎と、華やかな帝都ペテルブルク。ロシアの理想の女性と称えられる誠実なタチヤーナと、遅まきにその気高さに打たれる憂愁の貴公子オネーギンの悲劇的な恋のゆくえが、同名オペラとは別のチャイコフスキーの音楽にのせて描かれる。タチヤーナとオネーギンをめぐる出来事が、まるで映画を見るように流暢に進んでいくなか、現れるのは、全編の白眉ともいえる二つの鮮烈な場面──オネーギンを慕うタチヤーナの初恋の高まりを描く第1幕最後のパ・ド・ドゥと、二人のすれ違ってしまった恋の葛藤を表現する最終場のパ・ド・ドゥは、バレエ・ファンなら胸高鳴る、これぞドラマティック・バレエといえる名シーンとなっている。

Photo: Julien Benhamo OnP

Photo: Julien Benhamo OnP

芸術監督のデュポンが自慢する、伸び盛りの若手エトワールや、それにつづく期待の新星たちが魅せる舞台に期待しよう。

【あらすじ】
田舎の地主の娘タチヤーナは、帝都育ちの洗練された青年オネーギンに憧れ、恋文をしたためる。いっぽう若くして人生に飽いたオネーギンは一途なタチヤーナの愛を疎んじ、友人レンスキーをつまらぬ諍いから決闘で殺して失意のうちに去る。
数年後、将軍の妻となったタチヤーナとオネーギンが再会。オネーギンはタチヤーナの気高い美しさに心を打たれ、熱烈に求愛。しかし胸に恋心を残しながらも人妻としての矜持を失わないタチヤーナは、これを拒絶する。

 

注目のピアニスト・紀平凱成がデビューアルバム『Miracle』をリリース

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18歳の非凡なるピアニストとして注目を集める紀平凱成が、デビューアルバム『Miracle』を2019年10月23日、eplusmusicよりリリースした。

「モーニングショー 」「ザ! 世界仰天ニュース」「スッキリ」など、彼がTV番組出演時に生演奏で大きな話題を呼んだロシアの作曲家カプースチンのピアノソロ曲のほか、18歳とは思えないピアニズムを駆使したオリジナル楽曲を収録。本アルバムはiTunes等での配信も開始された。

また、このアルバムを引っさげての東阪ツアーの開催がこのほど決定した。詳細は近日公開。

【紀平凱成プロフィール】

自閉症と診断された2歳の頃より、ロックやジャズ、クラシックなど幅広い音楽に興味を持つ。幼稚園時には、一度聞いただけの曲をエレクトーンで再現。風の音、雨のしずく、鳥のさえずりなどをコードネームで表現し、所かまわず五線を引き作曲を始める。弾き語りの時に自分の歌声に合わせて曲を咄嗟に転調させたり、出会う人達のイメージを和音やメロディで表現するなど周囲を驚かせていた。小学校1年の時にピアニストになりたいと宣言。楽譜理論もいつしか覚え、二千冊を超える落書き帳が曲で溢れるようになる。その頃から作曲の際には、鍵盤に一切触れずに楽譜を仕上げていた。中学生で東京大学・日本財団の「異才発掘プロジェクト」第1期ホーム・スカラーに選抜。その後、英国トリニティ・カレッジ・ロンドンの上級認定試験に最高得点で合格し奨励賞受賞。17歳で同大学のディプロマ(卒業認定)を取得する。初のアルバムでは18歳とは思えないピアニズムを駆使したオリジナル楽曲、そして「モーニングショー」「ザ!世界仰天ニュース」「スッキリ」など、TV番組出演時の生演奏で大きな話題を呼んだロシアの作曲家、カプースチンのピアノソロ曲を収録している。

東京バレエ団×勅使川原三郎の新作『雲のなごり』 和歌と武満音楽とともに醸す雲の残り香

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2019年10月26日(土)・27日(日)に、東京バレエ団が創立55周年を機に世界的な振付家にしてダンサー、勅使川原三郎に委嘱した作品、『雲のなごり』が上演される。バレエ団にとっては初の日本人振付家による新作だ。作品タイトルとそのイメージは藤原定家の和歌から題材を得、音楽は日本人作曲家の武満徹「地平線のドーリア」と「ノスタルジア ―アンドレイ・タルコフスキーの追憶に」を使用。それを日本のバレエ団が勅使川原の「ダンス」という言語を通して表現する。このほど世界初演を控えたハーサルが行われた。(文章中敬称略)

■終わりのない、「なごり」という永遠の世界の表現

東京バレエ団と勅使川原との共作は2016年、愛知トリエンナーレの際に勅使川原が演出したオペラ『魔笛』に東京バレエ団が出演したのが最初で、それが縁となり、今回の作品委嘱に繋がった。

勅使川原もまた「欧米でしばしば“なぜ日本のバレエ団に振り付けないのか”と聞かれ、“そういう依頼がないからだ”と答えていた。今回東京バレエ団に作品を振付ける機会をいただき、とてもうれしく思っている」と語る。振付家自身が望んでいた日本のバレエ団とのコラボレーションは、だからこそ「やりたいことがすぐ浮かんだ。悩むことはなかった」。

photo: Arnold Groeschel

photo: Arnold Groeschel

その「やりたいこと」が、武満徹の音楽「地平線のドーリア」を使ってのクリエイションだ。「かつてワークショップで佐東利穂子(KARAS)の踊りとこの“ドーリア”の曲が呼応していると感じ、はっとした。いつかこの音楽の面白さにふれることの難しさを、ダンスを通して表現したいと考えていた」という。今回はその佐東も共演。「武満さんの音楽がかかった瞬間、全身で衝撃を受け、周りや、その温度までもが変わるような感覚だったことを記憶している」という。

photo: Arnold Groeschel

photo: Arnold Groeschel

さらにその音楽を表現する際のテーマとして勅使川原が選んだのが、藤原定家の和歌であった。タイトルの「雲のなごり」という言葉は定家の和歌「夕暮れはいづれの雲の名残とて花橘に風の吹くらむ」からとられている。「明確に答えのあるものではなく、今はないものを感じること。暮れゆく風景の中、最後に残る花の香りのように、“なごり”という感覚が、いつまでも続くような永遠や宇宙といった、そうした感覚を表現してみたいと考えた」という。

■「勅使川原言語」理解に次第に熱がこもる

リハーサルに登場したダンサーは佐東のほか、バレエ団から勅使川原自身が選んだ沖香菜子、柄本弾、秋元康臣らのプリンシパルと、池本祥真(ファーストソリスト)、そして三雲友里加(ソリスト)の5人だ。今回のリハーサルは「踊りの土台作りで、一人ひとりの出演者が同じように音楽を捉える、いわば言葉を覚えている段階」(勅使川原)で、佐東が扇の要の位置に立ち、ダンサーらは彼女の振りや勅使川原の指示を受けながら、音楽に合わせて振りをひとつひとつ確認していく。いわばダンスを通じた「勅使川原語」の発音や発声の仕方を学んでいるという印象だ。

photo: Arnold Groeschel

photo: Arnold Groeschel

ダンサーらは光や星の響き、宇宙空間の響きを思わせるような音楽に合わせ、A、A' などと名付けられた動きを、ゆったりと繰り返す。その動きを見ながら勅使川原の「もっと足の裏を使って」「重心をしっかりと」という身体の動かし方とともに、「水平線のむこうでさざめくような」「音楽が描く線画のような世界を」「強風の中で静けさが抵抗しているような感じで」などといった、なぞかけのような指示も飛ぶ。ジャンプや回転といった激しい動き一切はない。しかしリハーサルが進むにつれ、見ているこちらもじわっと汗ばんでくるような熱が伝わってくるのだ。

photo: Arnold Groeschel

photo: Arnold Groeschel

リハーサルで使用する音楽は録音だが、「指揮者が今、この音楽と向き合い試行錯誤しているところだ。また音楽表現は演奏者の裁量に任されている部分も多いので、オーケストラが加わると踊りもまた変わってくるはず」と勅使川原。音楽や「言語」の解釈が深まったダンサーの踊り、加えてセットや衣裳が入った本番はどのような世界が舞台上に生まれるのか、期待が膨らむ。

■「ダンサーのポテンシャルを引き出すのが役目」。バレエ団の新たなステップへ

東京バレエ団ではこれまでも古典作品のほか、ベジャールやノイマイヤー、キリアンなど、数々の現代作品を踊ってきたが、今回の勅使川原作品はそうした作品とは明らかに違った、おそらくバレエ団としても初めてふれる「言語」だろう。

photo: Arnold Groeschel

photo: Arnold Groeschel

リハーサルを終えた後、沖は「正直作品がどうなるかどうなるかわからずにいるが、どれだけ新しい世界に自分が入れるか、挑戦していきたい」と語る。柄本も「求めるものが今はまだ分からない。踊ったことのないダンスなので日々模索中だが、新しい作品が生まれる場にいられることはすごくいい経験だ」と話す。2016年の『魔笛』に出演した秋元は「『魔笛』の時は自分がしたことのない動きがたくさんあり、終演後にああすればよかったと思う一方で、もっと動き続けていたいとも感じていた。今回は風の動きや佇んでいる感覚に身を委ねていくうちに自然と作品となっているような、そうしたところを目指していきたい」と話した。

photo: Arnold Groeschel

photo: Arnold Groeschel

こうしたダンサーの言葉を受け、勅使川原も「自分の仕事はダンサーのポテンシャルを引き出すこと。このバレエ団はレベルが高く、ダンサーたちはみなそれぞれ感じる力があり、芸術への献身性も感じる。この方向に向かって行けば間違いないと考えている」と話す。

斎藤友佳理芸術監督は「ダンサーにとって、短いキャリアの中で新作が誕生する瞬間に関われるのは非常に幸せなことで、これは自身に大きな成長をもたらすもの。私自身もいくつかの作品に関わる機会に恵まれ、その都度大きな発見があり、それが次の舞台への糧となった。今回の勅使川原さんとの創作で、ダンサーたちがひとつでも多くのことを学んでくれると信じている」とコメントした。

勅使川原が「学ぶ喜びを得るとダンスの風景が変わる」と語るように、リハーサルを通して、今回の新作のクリエイションはダンサーらのモチベーションが非常に高いなかで行われていることがうかがえた。新たな作品が与える新しいバレエ言語は、東京バレエ団の新たな財産となるに違いない。同時上演されるのは、ジョージ・バランシン『セレナーデ』と、次の公演が250回目の上演となるモーリス・ベジャール『春の祭典』だ。バレエ団の新たな魅力を発信する場となるに違いない。

取材・文=西原朋未 写真=Arnold Groeschel

オフコースの名曲がフルオーケストラでよみがえるクラシックアルバム『オフコース・クラシックス』リリース記念コンサートでアルバム未収録楽曲の演奏も決定

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1989年に解散したオフコースがこれまでにリリースした全楽曲の中から「さよなら」「言葉にできない」など代表曲7曲を、服部隆之の手によるクラシックスアレンジで新たにレコーディングしたクラシックアルバム『オフコース・クラシックス』が10月23日(水)に発売された。

ボーカルには、上白石萌音「さよなら」、さかいゆう「愛を止めないで」、佐藤竹善(SING LIKE TALKING)「生まれ来る子供たちのために」、ソン・シギョン「君住む街へ」、根本 要(スターダスト☆レビュー)「Yes-No」、平原綾香「言葉にできない」、Ms.OOJA「YES-YES-YES」といった、年齢や国籍を越えてオフコースをリスペクトする7名が参加している。

そして本作のリリースを記念した『オフコース・クラシックス・コンサート』が、10月27日(日)にはオフコースゆかりの地である横浜の神奈川県民ホールで、11月2日(土)には世界遺産の奈良・薬師寺大講堂前特設会場にて開催される。

同コンサートには、今回のアルバムにも参加したボーカリストのなかから、さかいゆう、佐藤竹善(SING LIKE TALKING)、ソン・シギョン、平原綾香(奈良公演のみ出演)、Ms.OOJA(五十音順)の参加が決定している。さらにアルバムには収録されていない「眠れぬ夜」、「秋の気配」、「愛の中で」、「でももう花はいらない」、「I Love You」の演奏が新たに発表される等、オフコースの新たな魅力を再発見できる特別な公演になりそうだ。

 

【ニュースを振り返り】10/22(火)~24(木)のオススメ舞台・クラシック記事

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SPICE・10/22(火)~24(木)オススメの舞台・クラシック記事


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クラシック:
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『PSYCHO-PASS サイコパス』初のオーケストラコンサートが開催決定

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2020年1月より、『PSYCHO-PASS サイコパス』初のオーケストラコンサート『SYCHO-PASS サイコパス IN CONCERT』が東京・大阪にて開催されることが決定した。

2012年にスタートしたTVアニメ第1期シリーズから、第2期シリーズ(2014)、第3期シリーズ(2019年10月17日放送開始)、『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』(2015)、劇場版3部作『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』(2019)のほか、舞台、コミカライズ、ノベライズと、多彩にメディアミックスしてきた『PSYCHO-PASS サイコパス』。今回のオーケストラコンサートは、この『PSYCHO-PASS サイコパス』全シリーズで音楽を担当する菅野祐悟と、同じく全シリーズで音響監督を務める岩浪美和プロデュースにて行われる。

開催にあたり岩浪は「PSYCHO-PASSの世界を「音」で体験するドラマティックでスペシャルなイベントになります。全身で感じてください。」また、菅野は「念願だったPSYCHO-PASSコンサート。2020年開催決定しました~!!!ワクワクしてます。ファンの皆さんと会場でお会いできることを楽しみにしています!!!」とそれぞれコメントを寄せている。

『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界を生演奏で体感できる唯一の機会。コンサートは、2020年1月27日(月)~29日(水)LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)、2020年1月31日(金)~2月1日(土)梅田芸術劇場メインホールにて。オフィシャル先行受付は10月25日(金)正午よりスタートする。

聴き始めたらクセになる?! 新感覚の『Cateen's Piano LIVE』 YouTube×リアルライブで新風吹き込む

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クラシックを土壌とし、ジャズ、ゲーム音楽、アニメ音楽などを縦横無尽にオリジナルアレンジで聴かせる角野隼斗。東大大学院でAI研究に勤しみながら、自身の演奏動画をアップするYouTube チャンネル(Cateen / Hayato Sumino名義)では、フォロワー数8.5万人を誇るピアニストだ。

角野のチャンネルの人気コンテンツのひとつに「Piano Live」がある。文字通り90分ほどのライヴ配信で、リアルタイムに寄せられるコメントのリクエストを受けながら、角野がその場で即興的に演奏を紡ぎ出していく。

2019年10月19日土曜の夜、角野はこのYouTube「Piano Live」をeplus LIVING ROOM CAFE&DININGで行った。会場のステージには大きなスクリーンとグランドピアノ。スクリーンにはYouTubeの生配信に寄せられるコメントが次々と映し出されるという仕組み。チケットは発売間も無く完売。あのライブを「生演奏」で聴けるとあって、ファンの注目度が高かったようだ。

当日は1stセットが19:00〜19:30、2ndセットが20:15~21:00という2ステージ。YouTube配信がなされたのは2ndセットのみで、1stセットは来場者だけが楽しめるスペシャルなひと時。オープニングに映画『ラ・ラ・ランド』のナンバーを柔らかに奏でた角野は、リラックスした声で次のように語った。

「この『Piano Live』は、これまで僕が自宅のリビングから生配信してきたものですが、今夜はそのまま、ここeplus LIVING ROOM CAFE&DININGで行います。この会場のコンセプトは、アーティストが自分のリビングルームに友達を招いてコンサートを行うというもの。僕が自宅から配信しているライブのコンセプトそのものなんですね。YouTubeライブの良さは、堅苦しくなく、気楽に楽しめるというところ。この会場は、それをそのまま持って来られる場所だと思い、今夜の開催に至りました。今夜はここにいる皆さん、そして画面越しの皆さんと一緒に、楽しみたいと思います」

秋らしいジャジーなムードで「赤とんぼ」のアレンジに続き、取り上げたのはショパン。

「クラシックは生演奏でしか伝えきれないものが、他のジャンルよりも強いと感じています。ショパンの音楽は今でこそ大きなホールでも演奏されますが、当時はちょうど今夜の会場のような小さな空間、サロンと言われた場所で育まれた文化の音楽です」

ワルツ第6番「小犬のワルツ」と、ノクターン第20番嬰ハ短調(遺作)という、明暗のコントラストが効いた小品をチョイス。ワルツはユーモラスでオシャレに。ノクターンはしっとりと美しく。その音色に、会場の集中度がぐっと高まった。

後半はクラシックとジャズの語法を併せ持つニコライ・カプースチンの8つの演奏会エチュードより「間奏曲」、そして角野ならではのアレンジも加わった「The Tom and Jerry Show」という、テクニカルで明るさいっぱいの演奏で、会場の温度を一気に高めた。

2ndセットはいよいよYouTube視聴者とのインタラクティヴなコミュニケーションで展開された。

「あらかじめ何も決めていません。みなさん、どんどんコメント欄にリクエストしてください」

1stセットではジャケットにネクタイという姿だった角野だが、落ち感のある瀟洒なシャツに着替えての登場。おもむろに弾き始めた「First Love」〜「You raise me up」の響きは優しく、会場の誰もが耳をそばだてる。冒頭からYouTubeのアクセス数は1000人を超えていた。

2ndセットは衣裳も変えてガラッと違う雰囲気に  撮影=飯田有抄

2ndセットは衣裳も変えてガラッと違う雰囲気に  撮影=飯田有抄

撮影=飯田有抄

撮影=飯田有抄

次々とYouTubeに寄せられるリクエスト曲と感動や喜びのコメント。それらに反応しながら、角野はピアソラの「リベルタンゴ」、リストの「メフィスト・ワルツ」、そしてドビュッシーの「月の光」、ベートーヴェンの「月光」ソナタ、そして「Fly Me to the Moon」という月シリーズへとつなげていく。その自然なつながり、さりげない移調、ジャズ風の小粋なアレンジ、饒舌な装飾に、息を飲む。よく知るメロディーが、こんなにも新鮮な響きで、こんなにも意外な組み合わせで届けられるなんて!

音楽そのもの、演奏そのものには、まるで不自然なところや破綻がない。弾き姿をよく見ると、角野は時折画面上のコメント欄を読みながら弾いている!「頭の中どうなっちゃってるの?」 そう思わざるをえない(笑)。同じような感想が、やはりコメント欄にも書き込まれている。視聴者の声は次々と寄せられ、ほとんど止まることがない。時折、一気に大量に押し寄せる。

このライヴ感は独特だ! 会場の集中力と熱量のみならず、ネットを通じて(すでに)1300人を超えた人たちと、この驚きと楽しさを共有できているという、独特の高揚感と喜び。この一体感は今までに味わったことのないもので、得も言われぬ興奮を掻き立てるものだった。

ところでYouTubeの映像上ではシックで暗めのステージに見えるが、実際には会場は繊細な輝きの照明が美しく、その落ち着きのある光の中で、次々と紡ぎ出される角野の音楽に身を預けることができたのも、この日の「Piano Live」を特別なものにしていた。

続く「ジブリ・メドレー」では「人生のメリーゴーランド」「ナウシカ・レクイエム」「君をのせて」などの名曲が叙情的につなげられた。

盛り上がる会場の熱気に応え、「今僕もめっちゃ楽しいです。なぜかはわからないけれど、即興は人がいると変わっていきます。本番でしか出ないアドレナリンというか、これまでのYouTubeの配信では出ていなかった“何か”が出ている気がします」と話す角野。自身も初の空気感を味わっているようだ。

次のセットは「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ラ・カンパネラ」のようなクラシックの名曲から、Queenの「Don’t Stop Me Now」などを経て、なぜか自然に「アンパンマンのマーチ」(同時にきらきら星)、そして「明日がある」へと落ち着いてゆくというメドレーへ(ここに列記しきれないほど、たくさんの楽曲のモチーフが散りばめられていたはず)。

「まったく脈絡のないメドレーになってしまいました」と笑う。会場の盛大な手拍子と共に、画面の向こうには、1600人を超えた視聴者がコメントを送り続けている。

演奏はさらに熱気を帯び、音数を増し、切れ味のいいリズムで推進していく。最後のセットがガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」で壮大に締めくくられると、客席からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。

さらにはアンコールとして、「ルパン三世」と「名探偵コナン」のナンバーを織り交ぜた、キレッキレのメドレーを聴かせた角野。1時間10分を超えた2ndセットを、ここまでノリよく弾き続けられるのは、角野の柔軟な音楽脳と、無駄な力が一切抜けきった身体があってのことだろう。どの瞬間も決して“曲芸的”なパフォーマンスに陥ることなく、音楽的な充足感に満ちた演奏だった。

生演奏の迫力と、インタラクティヴな盛り上がり、そしてその場で生み出される瑞々しい響き。角野のPiano Liveの魅力と可能性は、これからもさらに深まり、広がりゆくことだろう。

取材・文=飯田有抄 撮影=安西美樹


海宝直人が再び『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ』に! ゲストシンガー続投決定に「ご期待下さい」

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2020年1月30日(木)・31日(金)東京国際フォーラム ホールAにて上演されるディズニー・ブロードウェイ・ミュージカル25周年記念『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ』のゲストシンガーとして、海宝直人の出演が決定した。

『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ』は、ディズニーの名曲の数々をブロードウェイの豪華キャストが披露するスペシャルコンサート。過去に、 アメリカ・ボストンのボストンシンフォニーホールやイギリス・ロンドンのロイヤルアルバートホールで上演され、日本では2019年1月31日、 2月1日(パシフィコ横浜・国立大ホール)に初公演が行われ、大盛況となった。

キービジュアル

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海宝は、『ノートルダムの鐘』 や『アラジン』などに主演し、『ライオンキング』では世界で初めて、ヤングシンバ役、大人のシンバ役のどちらも演じた俳優。今年1月には、ウォルト・ディズニー・レコードよりディズニーの名曲を揃えたアルバム『I wish. I want.』をリリースし、メジャーデビューを果たした。再演での続投が決定したことについて海宝は、「前回公演で、ブロードウェイを代表するシンガーたちと共演させていただき、素晴らしい歌声に心震えました!今回、再び共演できることを、とても光栄に思います。 ぜひご期待下さい」と意気込みを語った。

2019年公演の様子

2019年公演の様子

左から、 アルトン・F・ホワイト、 キシー・シモンズ、 海宝直人、 アシュリー・ブラウン、 ジョシュ・ストリックランド※2019年公演の様子

左から、 アルトン・F・ホワイト、 キシー・シモンズ、 海宝直人、 アシュリー・ブラウン、 ジョシュ・ストリックランド※2019年公演の様子

今回の『ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ』は、さらにパワーアップし、『美女と野獣』『ライオンキング』『アラジン』『ニュージーズ』『アナと雪の女王』ほか、ディズニー・オン・ブロードウェイの楽曲盛りだくさんのプログラムを予定。『メリーポピンズ』のメリーポピンズ役アシュリー・ブラウン、『ターザン』のターザン役ジョシュ・ストリックランド、『ライオンキング』でムファサ役を務めたアルトン・フィッツジェラルド・ホワイト、『ライオンキング』でナラ役の最長出演を記録したキシー・モンズの出演が決定しているほか、ホスト役をハリー杉山が務めることが決定している。現在一般先行を受付中で、明日2019年10月26日(土)10:00より一般発売が開始される。

児玉麻里(ピアノ)ベートーヴェンは「演奏するたび新しい気づき」 『東芝グランドコンサート2020』でスウェーデン名門オケと共演

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海外の著名オーケストラと指揮者、豪華ソリストらの共演で毎年、話題を集める東芝グランドコンサート。39回目となる2020年はスウェーデンの名門エーテボリ交響楽団と同楽団の首席指揮者を務める北欧の若き俊英、サントゥ=マティアス・ロウヴァリが登場。ソリストに難関の「ハノーファー国際コンクール」で2009年に史上最年少で優勝を果たした三浦文彰(ヴァイオリン)と欧州を拠点に世界中で演奏活動を展開する児玉麻里(ピアノ)を迎えた2種類のプログラムで、全国の主要ホールを縦断する。

児玉麻里はプログラムBに出演しベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番を演奏予定。これまでにピアノ・ソナタとピアノ協奏曲の全曲録音を完遂し、ベートーヴェンのスペシャリストとしても名高い彼女にお話を伺った。

ーーエーテボリ交響楽団は、かつてご主人のケント・ナガノさんが首席客演指揮者兼芸術顧問を務められていた(2013~2017年)ことでも知られています。児玉さんも共演経験がありますね。

3年前にスウェーデンの作曲家で、20世紀初頭に同交響楽団の音楽監督も務めていたらしいヴィルヘルム・ステンハンマルの書いたピアノ協奏曲を主人の指揮で一緒に演奏した時に、とても素晴らしいオーケストラだと感じました。そもそもエーテボリの街自体がとても素敵でしたね。北海に面した港町で気候も温暖、欧州に対して文化的にオープンで開放的な雰囲気。私が好きなコペンハーゲンやハンブルクとも共通する明るさと活気に溢れていましたし、人々は皆、物静かだけれど内に情熱を秘めているようなタイプが多い印象。それらがみんなオーケストラにもそっくりそのまま当てはまるのです。とても和気あいあいとして、アットホーム。気の合う仲間たちで集まったアンサンブル、といった感じでした。

(C)sho kato

(C)sho kato

ーーロウヴァリさんは1985年生まれながら、既にベルリン・フィルを始めとする世界のトップ・オーケストラの数々と共演を果たしている若手の最注目株。2021年にはエサ=ペッカ・サロネンさんの後任としてフィルハーモニア管弦楽団の首席指揮者に就任することも決まっています。

まだ共演したことがないのですが、本当に良い噂しか聞きません(笑)。録音を聴いたことがありますが、かなり魅力的な演奏でした。来年2月の日本公演を前に、エーテボリとは違う街で同じプログラムを演奏することになっていて、それを今からとても待ち遠しく思っています。

ーー今回の「東芝グランドコンサート」で児玉さんが演奏されるのはベートーヴェンの有名な5つの協奏曲のうち、最初に書き上げられたとされている第2番ですね。

第2番はなぜか日本では演奏される機会が少ないようですが、私にとってはとても想い入れのある作品です。5つの協奏曲はそれぞれキャラクターが違うことが魅力だと思うのですが、特に第2番は若くて理想に溢れた青年ベートーヴェンらしい、元気いっぱいで、夢もいっぱい、そしてとても男性的で力強い協奏曲だと思います。皆さんが一般的にイメージされる、険しい表情でご機嫌斜めのベートーヴェンとはまた違って、爽やさもある。しかも最初に完成させた協奏曲なのに未熟さが微塵もなく、完璧な作品に仕上がっているところもさすがベートーヴェンといったかんじで大好きなのです。

ーー第2番を演奏する上でのポイントを教えて下さい。

やはりタイミングをぴったり合わせることが大切ですね。オーケストラと少しでもズレてしまうとすべてが台無しになる。そのあたりを理解されている指揮者の方がご一緒だと、まるで室内楽のような親密な空気が生まれて、お互いのやりとりも凄く楽しくなります。

(C)sho kato

(C)sho kato

ーーこれまでベートーヴェンのピアノ・ソナタとピアノ協奏曲の全曲録音を完遂し、その作品を知り尽くされている児玉さんですが、今でも新しい発見がありますか?

はい、もちろんです! 演奏するたびに新しいことに気づかされます。あらためてピアノ・ソナタ32曲それぞれに違う個性があり、ひとつも駄作がないところに驚かされます。そしてピアノ協奏曲に関して、以前は重厚でどことなくとっつきにくいイメージを抱いていたのですが、師であるアルフレッド・ブレンデルのところに主人と一緒に伺って1番から5番までレクチャーを受けた結果、視点が変わってその姿がはっきりと見えるようになったと思います。ブレンデルには21歳の頃にも師事していて、その時は演奏家としての心と身体のバランス感覚から、演奏を空間的に把握してホールの隅々まで音を伝えるコツ、時間をコントロールする術などを学びました。それらは今でも私にとって大事な財産になっています。そしてベートーヴェンの協奏曲が持つユーモラスな側面について教えてくれたのも彼でした。ブレンデル自身もウディ・アレンの映画を愛する、ユーモアのある人柄ですが、彼の話を聞いてからベートーヴェンのことが随分と身近に感じられるようになりました。

ーーでは最後に今回の「東芝グランドコンサート2020」を楽しむコツを教えて下さい。

難しく考える必要なんてないんです。とにかくクラシックを聴き慣れた方も初めての方も、皆さんが楽しめる公演です。エーテボリ交響楽団がスウェーデン文化の素敵な香りを日本に届けて下さるはず…ご期待下さい!

取材・文=東端哲也

2CELLOSのルカ・スーリッチがソロ・アルバム収録曲の演奏映像を公開

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2CELLOSのルカ・スーリッチが初のソロ・アルバム『ヴィヴァルディ:四季』収録曲の「冬」から第1楽章の演奏映像を公開した。

 

最新アルバムはクラシック名曲として有名なヴィヴァルディ作曲の「ヴァイオリン協奏曲集<四季>」をルカ自らチェロ用に編曲した意欲作で、イタリアの名門、サンタ・チェチーリア・アカデミア弦楽合奏団と2019年6月11,12日にローマのスタジオで録音された。

本作は、2011年に2CELLOSとしてデビュー以来休むことなく世界各地を飛び回ってきたルカ・スーリッチがクラシックのルーツに戻った初のソロ・アルバムとなる。ヴァイオリンのために書かれたこの曲をチェロ版にアレンジした「ヴィヴァルディ:四季」はこのアルバムが世界初録音となる。世界中で愛聴されている<四季>は、約300年前のバロック時代に作曲された傑作で、ルカは編曲にじっくり2年をかけたという。日本盤にはボーナス・トラックとして、凄絶・超絶速弾きがたっぷり楽しめる「チャールダーシュ」のライブ録音が収録されており、初回盤特典としてルカの写真満載の特製「四季暦2020」が封入される。

また新作『四季』をひっさげて、ルカ・スーリッチ初のソロ来日公演が来春3月30日東京国際フォーラム ホールCで、31日には大阪のいずみホールで行われることも決定している。

『ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020』の開催が決定 「Beethoven― ベートーヴェン」をテーマに生誕250周年を祝う

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2020年5月2日(土)から5月4日(月・祝)にかけて、東京国際フォーラム、大手町・丸の内・有楽町エリアでクラシック音楽祭『ラ・フォル・ジュルネTOKYO 2020』(以下LFJ)の開催が決定した。

LFJが日本に上陸して15周年を迎える記念すべき年のテーマは「Beethoven― ベートーヴェン」。ベートーヴェン生誕250周年を、LFJならではのユニークで発見に満ちたプログラムで盛大に祝うことになる。交響曲やピアノ協奏曲、ピアノ三重奏曲、ピアノソナタなど傑作の数々が届けられることはもちろんのこと、ベートーヴェンの知られざる作品、ジャズや電子音楽も含めた19~20世紀の作曲家たちによるベートーヴェンへのオマージュ作品など、ラ・フォル・ジュルネならではの独創的なプログラムの数々が紹介される予定だ。

LFJ東京の歴史は「ベートーヴェンと仲間たち」のテーマで2005年に幕を開けた。当時日本では、朝から晩まで複数会場でコンサートを開催するLFJのようなクラシック音楽祭のスタイルは前例がなかったが、多くの人々から驚きと感動を持って受け入れられて以来、3万人以上のアーティストが参加し、計5510公演を開催してきた。LFJ2020は、初回の驚きや興奮をそのままに、新しいベートーヴェン・フェスを目指す。

5月1日(金)に東京国際フォーラムホールAで前夜祭としてガラ・コンサートを予定しており、本期間中には聴衆参加型プログラムとして「みんなで第九」を行う。詳細は12月下旬に発表されるので確認してみよう。

ホールA「0歳からのコンサート」過去開催時の様子 (C)teamMiura

ホールA「0歳からのコンサート」過去開催時の様子 (C)teamMiura

多彩な有料公演の数々 (C)teamMiura

多彩な有料公演の数々 (C)teamMiura

多彩な有料公演の数々 (C)teamMiura

多彩な有料公演の数々 (C)teamMiura

多彩な有料公演の数々 (C)teamMiura

多彩な有料公演の数々 (C)teamMiura

子どもたちの音楽アトリエ(ワークショップ) /地上広場 キオスク(無料公演)ステージ (C)teamMiura

子どもたちの音楽アトリエ(ワークショップ) /地上広場 キオスク(無料公演)ステージ (C)teamMiura

子どもたちの音楽アトリエ(ワークショップ) /地上広場 キオスク(無料公演)ステージ (C)teamMiura

子どもたちの音楽アトリエ(ワークショップ) /地上広場 キオスク(無料公演)ステージ (C)teamMiura

 
「ラ・フォル・ジュルネ」(LFJ)とは
「ラ・フォル・ジュルネ」は、1995年フランス西部の港町ナントで「クラシックの民主化」を掲げて誕生したクラシック音楽祭。世界中からアーティストが集い、一流の演奏を、1公演約45分、低料金で、朝から晩まで繰り広げられる。日本では、2005年から毎年ゴールデンウィークに開催。有料公演のほか、誰でも気軽に演奏を楽しめる地上広場でのコンサートなどのオープンプログラム、有料公演チケット(及び半券)の提示で参加できる数々のイベント(コンサート、 子ども向けプログラム、 マスタークラス、 講演会など※)が行われ、子どもから大人まで楽しめる。また、音楽祭期間中は、丸の内などの周辺エリアでもミニコンサートが行われ、街中が音楽一色に包まれる。
※一部プログラムは事前配布整理券が必要

 

【来週の星占い】ラッキーエンタメ情報(2019年10月28日~2019年11月3日)

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気付けば今年も、残すところあと2か月!元号が令和に変わり、長いお休みが続いたり、週末ごとに台風や天候の大荒れが重なったり、2019年はなにかと波乱万丈なこと、人生のターニングポイントになるようなこと、後から振り返ると印象深い出来事を経験された方が多いかもしれません。

それもまた、人生の一幕です。今週は、季節と共に自分の気持ちも、さらにガラッと切り替えたくなる人が多いでしょう。他人は他人、自分は自分。わかり合えないことにヤキモキするより、美しい飾りのついた蓋をするのかもしれませんし、笑顔で手を振ることになるのかもしれません。仲が良いだけでは一緒に居られない、熱い想いだけでは実現できない、情だけで繋がっていてもお互いストレスになるものには、合理的な見切りをどんどんつけていく時です。

一年の締めくくりに向けてやり直しておきたいことや、進みの滞っていたことはこのタイミングでしっかりと再点検を。もしかしたら、今ならスルっと解決できることが見つかるのかもしれません。向こうからの連絡を待っているだけでは、何も変わらないでしょう。これが最後になるかも、というくらい大げさな気持ちで向き合ってみてはどうでしょうか。逆に、この時期から新たにはじめる構想や、こんな風にしたいな、こうだったらいいな、といった想像段階のものは年内いっぱいは具体化させることは難しいようです。

話半分で聞いていたことがいつの間にか具体性を帯びてきたり、逆に真摯に向き合っていたことが実は相手には求められておらず、肩透かしをくらったり。哀しい、悔しい、寂しい、頭にくる…といった感情が、次々と溢れてくるかもしれません。自分でも自分の気持ちに説明つかないことが増えるかも。そういう時は焦らずに、寝るなら寝る、休むなら休む。体力や気力を充電するタイミングだと心得て、ゆるりと過ごした方が吉のようです。

 

【タロットのお告げによる ラッキーポイント】

星占いの12星座がもつ性質や性格の傾向から
「火・土・風・水」4つのタイプ別にラッキーポイントをお伝えします!

〈火の星座〉のあなたへ
牡羊座(3月21日~4月19日 生まれ)
獅子座(7月23日~8月22日 生まれ)
射手座(11月22日~12月21日 生まれ)

簡単な問題を難しく考えすぎなのかも。一行だけのメッセージでも、一文字だけの絵文字でも、まず反応するのが大事みたい。

〈土の星座〉のあなたへ
牡牛座(4月20日~5月20日 生まれ)
乙女座(8月23日~9月22日 生まれ)
山羊座(12月22日~1月19日 生まれ)

衝撃的な事件の真相をしることがあるかも。そこまで大した話でなくても、人の心や意図がスッと入り込んでくるので、意識して外に出るなど、発散するようにしてみて。

〈風の星座〉のあなたへ
双子座(5月21日~6月20日 生まれ)
天秤座(9月23日~10月22日 生まれ)
水瓶座(1月20日~2月18日 生まれ)

いつの間にか忘れていた、過去のことをほじくり返すような人が近づいてきそう。構ってほしいだけの残念なひとには、まともに取り合わず、いい感じの神対応で切り返して。

〈水の星座〉のあなたへ
蟹座(6月21日~7月22日生まれ)
蠍座(10月23日~11月21日 生まれ)
魚座(2月19日~3月20日 生まれ)

ごめんなさい、が素直に言えなくて疎遠になったままの友人や仲間が居たら、思い切って連絡してみるといいかも。過去の傷が癒される暗示。

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「ウォレスとグルミット」誕生30周年記念、『ウォレスとグルミット IN CONCERT』の開催が決定 主演声優・萩本欽一による新録吹き替えで

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イギリスを代表するクレイ・アニメーション「ウォレスとグルミット」の誕生から30周年を記念して、『ウォレスとグルミット IN CONCERT』が2020年4月に東京・大阪・名古屋の3都市で開催されることが決定した。

「ウォレスとグルミット」は、イギリスのアードマン・スタジオ製作のクレイ・アニメーションで、奇想天外な発明で大騒動を巻き起こしてしまう主人公ウォレスと、そんなご主人を守るため大活躍する愛犬グルミットが織りなす痛快コメディー作品。記念すべき第1作目『ウォレスとグルミット/チーズ・ホリデー』が1989年に制作されて以降、世界の名だたる賞を多数受賞し、誕生から30年が経った今もなお世界中に熱狂的なファンを持ち、イギリスを代表するキャラクターとして愛されている。

『ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!』

『ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!』

本公演は大スクリーンに映し出される「ウォレスとグルミット」の過去の名場面や本邦初公開の映像とオーケストラとの夢の共演を堪能できる、二部構成のコンサートとなっている。第一部の目玉は日本初演となるウォレス自身が作曲した新作「ピアノ狂騒曲 第1番」。第二部では、第66回アカデミー賞(R)短編アニメ映画賞を受賞した『ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!』(原題:Wallace and Gromit The Wrong Trousers)日本語吹き替え版をオーケストラの生演奏付きで上映する。

萩本欽一

萩本欽一

さらにコンサート全編は、第1作目よりウォレスの声優として参加している、コメディアン・萩本欽一による新録吹き替え版でお届け。本公演では、スリリングなサスペンスコメディー、そしてアクション。さらに「欽ちゃん」によって新たに息が吹き込まれる天才発明家、そして本コンサートでは作曲家としても活躍するウォレスを楽しむことができる。
 

■「ウォレスとグルミット」とは

イギリスのアードマン・スタジオ製作のクレイ・アニメーション。発明家のウォレスと忠犬グルミットによる大ヒットコメディー 記念すべき第1作目『ウォレスとグルミット/チーズ・ホリデー』が1989年に制作され、世界の権威ある賞を多数受賞しました。2005年の長編映画『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』はアカデミー賞(R)長編アニメ映画賞を含む100以上の映画賞を世界中で受賞しています。シリーズ誕生から30年が経った今なお世界中に熱狂的なファンを持ち、イギリスを代表するキャラクターとして世界中で愛されています。 また来年2020年は、 『ウォレスとグルミット、危機一髪!』(1995年/第68回アカデミー賞(R)短編アニメ映画賞受賞)に登場し人気が出たことから始まったスピンオフ作品「ひつじのショーン」が生誕25周年を迎えます。「ひつじのショーン」は2007年にTVシリーズが制作され、 同年日本でも放送が開始されました。2019年には「ひつじのショーン」の常設施設が相次いでオープンし、 12月13日(金)に「ひつじのショーン」長編映画第2弾となる『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』の公開も決定するなど 日本各地で年々盛り上がりを見せています。

『ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!』ストーリー
お金が必要になったウォレスは家に下宿人を迎えることにした。そこで現れたのは1羽のペンギン。ペンギンはつぶらな瞳と気の利く素振りで、すっかりウォレスのお気に入り。 居場所がなくなったと感じたグルミットは、 家出を決意。 しかし、そのペンギンがウォレスの発明品“テクノ・ズボン”を改造し、ウォレスに高価なダイヤモンドを盗ませようとしているところを目撃してしまう ペンギンの正体は、なんと指名手配中の泥棒フェザー・マッグロウだった。 グルミットはウォレスを助け出そうと、マッグロウを追い詰めるが…? クライマックスの列車に乗ってのチェイスシーンは、クレイ・アニメーション史上最高の名場面。

 

オフコースの名曲たちがクラシックで蘇る、さかいゆう、佐藤竹善、平原綾香ら横浜で競演

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10月27日(日)に神奈川県民ホールで開催された『オフコース・クラシックス・コンサート』のオフィシャルレポートが到着した。


オフコースの代表曲をオーケストラの編成で演奏し、世代を超えたシンガーが歌う。そんな企画アルバム『オフコース・クラシックス』が10月23日にリリースされて、発売記念コンサートが27日に所縁の地である神奈川県民ホールで行われた。

演奏を担うのは神奈川フィルハーモニー管弦楽団、指揮するのはアルバムのアレンジも手懸けた服部隆之。作曲家としても活躍している服部さんは、緻密に楽曲を制作し、幾重にも仕掛けがあるオフコースの音楽を「音楽IQが高い」と評している。

さて、開演時間の17時になると、神奈川フィルハーモニー管弦楽団のメンバーが次々にステージに登場する。オープニングで演奏されたのはアルバム未収録の『眠れぬ夜』と『秋の気配』。メロディーをフルートやサックスなどの管楽器が歌うように奏でる。弦楽器ではなく、管楽器とは少し意外に感じられたが、聴くにつれて、人によっては吹奏楽を思い出し、オフコースと共にあった青春時代が蘇るのではないだろうかと思った。

演奏がコントラバスとドラムによるジャズ風に切り替わる。服部さんによれば、「レイ・チャールズの世界観を再現したアレンジ」だとか。そこに登場したのがトップバッターのさかいゆう。優しい声で『愛を止めないで』を歌い始める。エモーショナルに歌い進めるなかで、せつなさと愛が伝わってくる。

MCで「小田和正さんの歌い方を普段からパクっています」と告白。小田さんのことが大好きで、初めて会った時に「ファンです」と告げると、「そうだろうな」と返ってきたエピソードを披露して、会場の笑いを誘う。

再び神奈川フィルハーモニー管弦楽団が2曲続けて演奏する。ハープとチェロの演奏が印象的だった『愛の中へ』と、『でももう花はいらない』。後者は、鈴木康博さんが作曲した楽曲で、バロック風にアレンジしたと紹介される。

2番目に登場のゲスト・シンガーは、佐藤竹善。アルバムでも歌った『生まれ来る子供たちのために』は、ピアノの伴奏で歌い始めて、メッセージを響かせたいという思いが歌から伝わってくる。この歌を「高校1年生の時に、友達の家で、60回くらい連続で繰り返しながら聴き続けたことがある」と言う。当時女性ファンが多かったので、男子はオフコースが好きだとなかなか公言しにくかったそうだ。

続いて、アルバムでは平原綾香が歌った『言葉にできない』をパフォーマンス。一音一音をかみしめるように歌う。アルバムとは異なる、讃美歌風のアレンジから祈りが伝わってくると思ったら、間奏で、世界で一番美しいと言われるモーツァルトの『クラリネット協奏曲イ長調』を盛り込んだと紹介される。

次にサックス奏者の西村貴行さんが登場し、『I LOVE YOU』でソロ演奏を披露する。「アレンジが施されても、心に響くメロディーが生きている。吹きながら、鳥肌が立ってくる」と話す。服部さん曰く、「小田さんの楽曲には構築美がある」とのことだ。

3番目のゲスト・シンガーは、韓国出身のソン・シギョン。会場のファンから歓声があがる。まずアルバムでも歌った『君住む街へ』を披露。レコーディングの際は、体調が悪くて、当初ソウルで歌ったものの、東京で録り直したという。年齢的に「リアルタイムでオフコースは聞いていないけれど、小田和正さんの歌を知り、その後時代を遡って聴くようになった」と話す。

ここでMs.OOJAが登場し、ソン・シギョンと交互に歌う。彼女が初めに歌ったのは『さよなら』。アルバムでは上白石萌音が歌った曲で、イントロの後、無伴奏で歌い始めて、アコースティックギターとチェロが合流する。そのアレンジが素敵。そして、Ms.OOJAのアプローチが清楚に歌った上白石萌音の歌とは真逆というか、愛に対する大人の女性の情念を歌う。それを”僕“という言葉がさらに強調するかのようだった。

ここで最後の2曲は、立って踊ってもいいですよ、と指揮者の服部さんが促す。再びソン・シギョンが登場し、『YES-NO』を歌い始めると、大きな手拍子が沸き起こる。ペンライトも振られる。

そして、Ms.OOJAが再登場して、最後の1曲『YES-YES-YES』を歌う。ブルーのフリンジのエレガントなドレスに身を包みつつ、繊細な小田和正のヴォーカルとは対照的な、生命力たっぷりの太くたくましいヴォーカルで歌いあげる。カヴァーの多様性、おもしろみを堪能させてくれる。

最後にカーテンコールで全員が登場する。その姿に服部さんがコンサート中盤で、「男性陣は、全員キーを下げてもいいですよ、と言ったのに原曲と同じ、つまり小田和正さんと同じキーで歌いたがった」と語ったことが思い出された。誰もが小田和正をリスペクトしているのだ。

文=服部のり子

 


ブレードランナーシネマ・コンサートが幕開け 世界初演!ロンドン公演速報レポート

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2019年10月25日、シネマ・コンサート『ブレードランナーLIVE』がロンドンにて世界初演を迎えた。シンセサイザーの巨匠ヴァンゲリスが手掛けたオリジナルスコアで演奏された本作は、2020年4月3日(金)・4日(土)に、Bunkamuraオーチャードホールで日本初上陸を果たす。日本上陸を前に、ロンドン公演速報レポートが到着した。

『ブレードランナー』は生演奏上映の夢を見るか?

フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』をリドリー・スコット監督、ハリソン・フォード主演で映画化した『ブレードランナー』(ファイナルカット版)を全編上映しながら、シンセサイザーの巨匠ヴァンゲリスが手掛けたオリジナル・スコアを画面とシンクロさせて演奏するシネマ・コンサート『ブレードランナーLIVE』が2019年10月25日、すなわち物語の時代設定である2019年11月を約1週間後に控えたロンドンで世界初演された。

プロデューサーのジャック・ステュークスとピエール・オライリーの陣頭指揮の下、約1年をかけてヴァンゲリスのサントラを完璧に採譜・楽譜化し、さらにシンセの音色も可能な限り忠実に復元した上で、それを計11名のアンサンブル――シンセサイザー×3、エレクトリック・ストリング・カルテット(ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ)、テナーサックス/フルート、ベース(エレキ&アコースティック)、パーカッション×2――で生演奏するというものである。

本編が始まり、「ロサンゼルス、2019年11月」のタイトルがスクリーンに浮かび上がると、会場は物語の時代設定と現実の時間のシンクロに興奮した5000人の大歓声に包まれた。ロサンゼルス上空をスピナーが飛び交う有名なオープニングで流れる、きらびやかなシンセ・サウンドとバス・ドラムの重低音。主人公デッカードのアパートをレイチェルが訪れるシーンで流れる《メモリーズ・オブ・グリーン》の気怠いピアノ。ゴミ置き場に身を潜めるプリスが技術者セバスチャンと出会うシーンで流れる《ブレードランナー・ブルース》の哀愁に満ちたシンセ……。よくぞここまで、ヴァンゲリスの音色を再現したものだ。1982年の初公開当時、誰も夢見ることさえ出来なかった『ブレードランナー』の生演奏上映が、ついに現実のものになったという感動に打ち震えた。

今回の世界初演の成功を踏まえ、来年4月に予定される東京公演はさらに磨きをかけた「改良型」の上演になるという。1982年初公開版、1992年ディレクターズカット版、2007年ファイナルカット版に続く新たなヴァージョン『ブレードランナーLIVE』を体験せずして、今後『ブレードランナー』を語ることは出来ないはずだ。

文=前島秀国(サウンド&ヴィジュアル・ライター)

合唱指揮者 福島章恭、大いに語る~ツェルニー30番の思い出と、ブルックナーに対する尽きせぬ想い

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大阪フィルハーモニー合唱団の指揮者を務める福島章恭が、本体である大阪フィルハーモニー交響楽団を指揮する交声曲『海道東征』の本番が近付いてきた。

これは、日本神話を元にした神武天皇の東征から、橿原神宮で即位するまでの話を、オーケストラと声楽が一体となった壮大かつ荘厳な調べをお届けする演奏会だ。

「海道東征」は、皇紀2600年の奉祝曲として日本書紀や古事記を元に北原白秋が作詞、昭和の音楽史の礎を築いた『海ゆかば』の作曲家 信時潔が作曲をし、1940年に完成を見た。大阪では、1962年の蘇演を除き、今回が4回目の公演となる。初年度からオーケストラは大阪フィル、合唱は大阪フィルハーモニー合唱団が担当し、合唱指揮を福島章恭が務めてきたが、満を持して今年は福島が本番のステージを指揮する。

オーケストラを指揮する機会も多い福島だが、現在は大フィル合唱団以外に混声合唱団を3つ、女声合唱団も3つ指導するため、全国を飛び回っている。大阪空港から東京に戻ろうとしている福島に、あんなコトやこんなコトを聞いてみた。

平成30年「海道東征」コンサート〈ザ・シンフォニーホール〉 (C)産経新聞社

平成30年「海道東征」コンサート〈ザ・シンフォニーホール〉 (C)産経新聞社

――『海道東征』の魅力はどんなところですか。

福島章恭 信時潔は作曲技法をひけらかす事なく、シンプルに力強く曲を作っていて、ただただ美しい。日本神話を元にした神武天皇による大和建国の物語ですが、信時潔自身がクリスチャンだったこともあり、ミサ曲のような、ハイドンのオラトリオのような部分がたくさんあります。北原白秋のテキストは大和言葉で書かれているため響きは美しいのですが、字幕がないと意味はわからないと思います。

――今回、本番の指揮も福島さんがされるのですが、いかがですか。

福島  『海道東征』に携わるのは今回が4度目です。これまでは本番指揮者の意向を汲んで練習で作り上げて、本番の演奏は客席で見守って来ましたが、今回初めて本番を指揮させて頂きます。オーケストラは何度も指揮しているので、その意味での特別な緊張はありませんが、大フィルとは付き合いが長いだけに、また今後の付き合いもあるだけに、今までにない種類の責任は感じますね。良好なパートナー関係を末永く継続するためにもしっかり演奏をしたいと思います。

――前半のプログラムには、シューベルトの未完成交響曲を選ばれました。

福島 『海道東征』との流れを考えて『未完成』にしました。僕は「歌の人」です。シューベルトのシンフォニーには歌が溢れています。今年に入って大フィルは小林研一郎先生、ハインツ・ホリガー先生と『未完成』が続いているので、続き過ぎではないかという声がなかった訳ではありませんが、やはり好きな曲、自信のある曲をやりたかったので、お願いしました。

――福島さんは桐朋学園のご出身ですね。大阪フィルのソロコンサートマスターの崔文洙さんとは同窓生とお聞きしましたが、専攻は何ですか?

福島 声楽です。崔さんはディプロマコースに学ばれていましたが、一緒の授業も受けていた仲間です。この年の桐朋学園は豊作の年。指揮者の飯森範親、ピアノの仲道郁代、チェンバロの中野振一郎、ヴァイオリンの豊嶋泰嗣、鈴木理恵子、木野雅之、チェロの藤村俊介と、みんな第一線で活躍しています。

――音楽の道で行こうと決められたのは、いくつの時ですか。

福島 高校3年の春です。県立厚木高校は神奈川県内有数の進学校で、模試の成績が全国一桁台とかいう連中をみて、彼らとは同じ土俵では太刀打ちできないと思い、好きなことをやろうと決意しました。同学年には俳優の六角精児もいました。

町田に、毎年音大に何人も入れると評判の先生がいらしたので、意を決して門を叩きました。生徒たちから鬼と恐れられた清島美代先生です。そこで大胆不敵にも弾いたのが、ツェルニーの30番の1曲目とベートーヴェンのg-mollのソナチネだったのですが、それを聞いた先生が「あなたは何万人に一人の音楽性の持ち主だ。東京芸大か桐朋学園に行きなさい。ただ、ピアノでは間に合わないので声楽にしなさい」と勝手に決められて(笑)、声楽の先生を紹介されたのです。さすがに1年では受験のための時間が足りなかったので、現役時代はどこも受験せず、2年間猛勉強して桐朋学園に合格しました。高校3年生にもなって、ツェルニー30番なんか持ってきたら、普通なら門前払いでしょう。よくぞ見出してくださったと思います。いまの僕があるのは清島先生のお蔭です。因みにオルガン奏者の能登伊津子さんも同じ清島門下でした。

言葉を選びながら丁寧に話す福島章恭 (C)h.isojima

言葉を選びながら丁寧に話す福島章恭 (C)h.isojima

――なんかドラマみたいな話ですね。楽器は色々されていたのですか?

福島 拙いながらピアノは弾いていました。あとは、リコーダーアンサンブルくらいですね。

今の僕からは想像つかないかもしれませんが、小さい頃はとても内気な子供で、外に遊びに行く事が出来ず、ずーっと家のポータブルプレーヤーでレコードを聴いていました。親父がレコードを沢山持っていました。クラシックは少なかったのですが、映画音楽から流行歌まで片っ端に聞きまくっていました。そんなに音楽が好きならばと、ピアノを習わせてくれたのが幼稚園の時。ただ、ピアノのレッスンが厳しくて、あまり練習しなくなって途中で止めてしまいましたね。

その後、小学校6年の時に音楽の授業で聴いた『第九』に感動しました。「世の中にこんな音楽が有るのか!」と。そこから憑かれたようにクラシックを聴きまくりましたね。特に合唱付きのオーケストラ作品が好きで、バッハの『ロ短調ミサ』やベートーヴェンの『ミサ・ソレムニス』なんかを聴いていることを音楽の先生に話すと、「お前は早熟だなあ」と吃驚されたものです。そこが僕の合唱指揮者としてのルーツかもしれませんね。

中学に入るとビートルズがリバイバルブームでした。当時、周りにピアノが弾ける男がいなかったので、『レット・イット・ビー』や『ヘイ・ジュード』を弾いてくれと言われるうちに、バンド活動にはまりました。中2~高3くらいまで、精力的にやりました。大学時代には、作曲家の後輩とバンドを組んで、渋谷のライヴハウスでコンサートを開いたこともあります。

――福島さんの音楽のルーツは小学6年の時に聴いた『第九』だったのですね。それにしても、高校3年の時に桐朋学園を勧めた先生には感謝ですね。

福島 本当に(笑)。しかし、入学後すぐに桐朋学園の凄さを思い知らされます。付属から上がってきた連中は初見でどんな曲でも歌います。男女4人が初見で平均律クラヴィーア曲集のフーガを娯楽として歌っている光景を見た時には、これは凄い所に来たなぁと思いましたよ。調性のない現代曲でも平気で音をとるし。ただ、彼らの音楽を聴いていて、絶対音感で所見がバリバリに効いても、必ずしもそれが音楽的に優れているとは限らない、と思ったのです。調性感が足りないというか、色が無いというか…。

その時、劣等感のどん底にありながら、自分にも勝ち目はあるのかなと思いました。ハーモニーの色合いだったり、歌心だったり、そんな感性こそが自分の持ち味だと思って今日まで来ました。

聞かれるままに色々な話を大いに語ってくれた! (C)h.isojima

聞かれるままに色々な話を大いに語ってくれた! (C)h.isojima

――合唱の指導者になられたのはどんな経緯だったでしょう。

福島 ご他聞に漏れず音大を出ても仕事はありません。そんな時に出産でお休みの先生の代わりに中学校で音楽を教える話を頂きました。その先生が合唱クラブをやっていたので、必然的に教えることに。それが初めての合唱指揮でしたが、愉しかったですね。その時の生徒達の卒業とともに、ミルテの花女声合唱団という小編成の女声コーラスを始めたのですが、それを聴いた人が、素晴らしかったのでうちも指揮して欲しいと、みるみる仕事の輪が広がっていきました。「ミルテの花」は、やがて宇野功芳先生にも高く評価して頂くに至りました。

エキストラとして二期会や藤原歌劇団の合唱団で歌っていた時期もありますが、或る時、合唱指揮者として著名な郡司博先生から、「新潟県の長岡で第九やるからエキストラで行ってくれ。また、僕は行けないので代わりに本番前の合唱指導もして欲しい」と頼まれ、臨時で指導したところ、相思相愛となり、そこから25年…。長岡混声合唱団との関係は今でも続いています。

長岡で出会った堤俊作先生に呼ばれた静岡県富士市の市民合唱で『第九』『モツレク』を成功させ、その地でのべートーヴェン『ミサ・ソレムニス』公演が、井上道義先生との出会いに繋がります。

合唱指導には定評のある福島章恭。評判が評判を呼び… 

合唱指導には定評のある福島章恭。評判が評判を呼び… 

真面目に見える福島章恭だが、話は実に面白い。自分は “わらしべ長者” のようだと言う通り、出会いが出会いを呼び、それがより大きな仕事に結びついていく。福島章恭の話は続く。

福島 井上先生は、富士市の『ミサ・ソレムニス』の合唱指導をいたく気に入ってくださったようでした。

その後、札幌、京都、神戸、倉敷などでお仕事を任され、遂には、2012年の名古屋マーラー音楽祭で、ご自分が本番を指揮するマーラーの交響曲第8番のオーケストラ練習を2日間だけ頼みたいと、声をかけて頂きました。実は当時、マーラーの交響曲第8番はそれほど好きでは無かったのと、それほど聴いていなかった事もあり一瞬躊躇ったのですが、せっかくのお声がけでもあり、「よし、受けて立とう!」と決めて受験生のように猛勉強をし、練習に臨んだところ、オーケストラがとても気に入ってくれたのです。声楽パートを歌いながら指揮した事に対する驚きもあったと思います。その時のコンマス高橋広さんや素晴らしい人々との出会いが、僕にとっても大きな転機となる愛知祝祭管弦楽団とのブルックナー交響曲第8番の演奏に繋がります。

井上道義とは厚い信頼関係で結ばれている

井上道義とは厚い信頼関係で結ばれている

2015年、大阪フィルハーモニーが、チェコの巨匠ラドミル・エリシュカ先生の指揮で『スターバト・マーテル』をやるタイミングに、客演合唱指揮者としてお招き頂き、大きな成果を生んだことから、大フィル合唱団の指揮者就任へと繋がっていきます。

この時のエリシュカ先生との出会いは、僕の音楽人生の中でも大きな財産となりました。

今年9月に亡くなったエリシュカとの出会いは自分の宝物

今年9月に亡くなったエリシュカとの出会いは自分の宝物

――合唱団だけでなく、オーケストラも納得させる、その指揮法はどこで習得されたのですか。

福島 「納得させる」どころか、まだまだ拙い指揮ですが・・・。桐朋学園時代、副科で2年間、それこそ「タタキ」や「しゃくい」といった齋藤メソッドもやりました。まぁやらないよりは良かったかもしれませんが、指揮は現場でだんだんと身に付くものですね。指揮を始めた頃にお世話になったコンマス(都響OB)から「それでは弾けない!」「下手くそ」などと叱られては修正していきました。こういうものは教科書を見ていてもわからないと思います。

そういう経験が生きて、ウィーンのシュテファン大聖堂でのモーツァルト『レクイエム』、ベルリン・フィルハーモニーでの「ドイツ・レクイエム」など、初対面のオーケストラと共に、限られたリハーサルで素敵な本番ができたと思います。

――先ほど話に出た大阪フィルハーモニー合唱団ですが、本当に上手くなりましたね。実際に指揮されていてどんな風に感じておられますか。

福島 初めて大フィル合唱団を聴いたのは、ユベール・スダーンさんの指揮する『第九』でした。レベルの高さや積極性を感じたのはもちろんですが、もっとヨーロッパ的な母音の深さ、響きの豊かさを身に付けさせたいと思ったのを覚えています。まあ、今もそれをやっている訳ですがね(笑)。

僕のレッスンは「そこはフォルテで!」「そこはドルチェで!」といった表現の枝葉ではなく、声の出し方の根本、フレーズやハーモニーの作り方の根源などを追求しています。ただ、団員にその真意がどこまで伝わっているのか…。ときに無力感に襲われますが、全体的には以前よりは変わってきているのは確か。尾高先生のブラームス・チクルスを聴いていて、3、4年前には出せなかった響きが出て来ているのは大きな歓びです。

成長著しいと評判の大阪フィルハーモニー合唱団を指導中!

成長著しいと評判の大阪フィルハーモニー合唱団を指導中!

――福島さんと云えば、鼻緒付きの草履を連想してしまいます(笑)。あれはどんな効果があるのですか。

福島 僕に呼吸法を教えてくれた大学の先輩がいつも言っていたのが「足の指を開け!」。

草履を履くのはそのためです。指を開き、母趾球を使って呼吸器官をコントロールすることから始めるのです。たとえば、女性の履いている先の細いヒールではダメ。まず草履に履き替え、足の指を開くことを意識することが大切です。ただ、草履を履きさえすれば良いのではなく、レッスンの時間に限らず、日常生活の中で呼吸法を意識する習慣をつけないと、大きくは変わりません。

――他にも象徴的なレッスン風景として、舌を出しているところを見かけた事が有ります。

福島 ベロを出して後ろにのけぞる体勢を毎回やっています。あれは、横隔膜を直接動かすやり方なんです。顎を開け切って、ベロを出し切って、鼻腔を奥まで開いて…。息をする時にベロとか顎を使うと浅い息が出来てしまう。開け切れば小細工が出来なくなり、横隔膜を動かさざるを得なくなるのです。単純にお腹が動くから腹式呼吸かと言ったら全然違います。横隔膜を動かさないと俺は死ぬ!と脳が認識する所まで自分を追い詰めるくらいでないと身体は変わってくれません。

僕は先ほどの先輩のところで修行みたいな事をして、それこそ何度ももどしそうになりながら身体を変えていきました。レッスンの後は気持ち悪くてバスにも乗れない。何駅も歩いて家に帰りました。このような過酷なレッスンは、覚悟を持った個人になら出来ますが、合唱団ではそこまでは出来ない。下手をすれば生命にかかわるので、最大公約数的な体操に留めています。

自分を追い込まないと身体は変わらない!

自分を追い込まないと身体は変わらない!

――それをやって身体が変わると、どんな効果があるのでしょうか。

福島 それこそ、ヨーロッパ的な響きを生み出す力です。五代目古今亭志ん生の声をフィッシャー=ディースカウの声に変えたい(笑)。それが究極の理想です。また、僕は練習中にソプラノのパートまで実声で歌う事が出来ます。あれが出来るのはそういう特別な訓練をしているからでしょう。

――なるほど!確かにアレは説得力が半端ないですね(笑)。

福島 いやいや(笑)。僕ももう少し丁寧に言えればいいのかもしれませんね。団員の中には、色々教えを受けてきたり、今も先生について習っている人もいる。それらの教えの外にある風変わりな体操を、どうしてしないといけないの? と思われているかもしれません。

――現在の大フィル合唱団は福島さんの中で満足度としてはどのレベルですか。

福島 年々良くなっているのは確かですが、良くなればなるほどゴールが遠くなっていくものかも確かですね。ブラームス・チクルスに取り組ませて頂いて、その成長ぶりに驚きながらも、発声や音程の取り方など、まだまだやることは有ると感じています。

ブラームス・チクルスをやるに当たり、尾高先生にはコンチェルトではなく合唱曲を選んでいただいた。これは本当に有難いことです。その想い、期待に合唱団は応えていかなくてはいけない。

ブラームス・チクルスをコンチェルトではなく合唱曲で組んで頂いた尾高忠明マエストロに感謝!

ブラームス・チクルスをコンチェルトではなく合唱曲で組んで頂いた尾高忠明マエストロに感謝!

――来年4月で58歳を迎えられるそうですが、将来の目標をお聞かせください。

福島 僕自身、一番好きな作曲家はブルックナーです。シンフォニーのすべて(特に2番、4番、5番、7番、8番、9番)と宗教曲では番号付の3つのミサと『テ・デウム』は、いつかオーケストラでやりたいです。今回演奏する『未完成』を聴いて、こいつの振るブルックナーを聴いてみたい! というお客様が生まれて欲しいですね。シューベルトはブルックナーの先駆的な作曲家だと思っています。

――福島さんが朝比奈隆のファンだというのは有名な話ですが、大フィル合唱団の指揮者というポジションは特別な感情がお有りなのではないでしょうか。

福島 最初に大フィル監督室の朝比奈先生の書き込みのあるスコアや、指揮棒の花束などを拝見した時には、特別な思いに浸りました。

高校生の頃から朝比奈先生の指揮される東京の公演はすべて行きましたし、出来る限り大阪の公演にも足を運びました。大阪にシンフォニーホールが出来て、先生のベートーヴェン・チクルスが始まるとわかった時は、ワクワクしました。先生のレコード、CDはほぼ全部持っています。若き日に、朝比奈先生の指揮で、ベートーヴェン『第九』『ミサ・ソレムニス』、ブルックナー『ミサ曲第3番』を合唱団員として歌えたのは幸せでした。朝比奈先生の豪気なところや、人間としての器の大きさ、そして壮大な音楽、響きの凄さを少しでも受け継げるようなりたいですが、最後は自分の音楽を奏でたいですね。

いつかは自分のブルックナーを指揮したいと熱く語る!

いつかは自分のブルックナーを指揮したいと熱く語る!

――やはり、ご自分でオーケストラを指揮したい、という事ですね。

福島 オーケストラ付きの合唱指揮者としては、自分が作ってきた音楽と、本番指揮者との出会いで化学変化が起きるのが楽しみの一つです。

井上道義先生、尾高忠明先生、大植英次先生、エリシュカ先生、デュトワ先生、スラットキン先生、シモーネ・ヤング先生……。大阪フィルは超一流クラスの指揮者が並ぶので強烈な化学変化が起きますが、世間一般に於いては、正直、化学変化が起きない演奏会があるのもまた事実です。10点のものを作っても5とか6点で終わってしまうと寂しくなります。

時間を掛けて積み上げてきた音楽をそのまま世に問いたいというのは僕だけでなく、合唱団のメンバーも同じでした。そこで自分でオーケストラを指揮する演奏会を始めました。

「海道東征」のあと、自分で指揮する演奏会としては、まず、本年11月23日(土・祝)に杜のホールはしもと(神奈川県相模原市)にて、女声合唱団スウィングロビンのコンサートがあります。女声合唱は自分の合唱指揮者としての原点であるとともに、「スウィングロビン」は「ミルテの花」の大人バージョンといった趣があり、楽しみなコンサートです。

次に2020年1月5日(日)、神奈川県大和市のシリウスにて、東京フォルトゥーナ弦楽合奏団とのニューイヤーコンサートが有ります。コーラス抜きの純粋な弦楽アンサンブルの指揮です。演目はモーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、チャイコフスキー「弦楽セレナード」、ヨハン・シュトラウス集など。

また、同ホールでは、2月29日(土)に、やまと国際オペラ協会でのモーツァルト「レクイエム」&「ドン・ジョヴァンニ」(抜粋)もあります。抜粋とはいえ、オペラを振るのは大きな挑戦ですね。

そして2020年5月2日には、紀尾井ホールでベートーヴェンのミサ曲ハ長調と交響曲第7番を指揮する演奏会も有ります。ヴェリタス・クワイヤー東京と混声合唱団ヴォイスとの共同企画。ベートーヴェンのシンフォニーについては、初指揮となりますので、大いに張り切っているところです。

来年はベートーヴェンの没後250年という事で、ベートーヴェンに纏わる曲を指導、または演奏する機会は増えると思います。

来年は記念イヤーのベートーヴェンを指揮する機会が増えそうだ!

来年は記念イヤーのベートーヴェンを指揮する機会が増えそうだ!

――長時間に渡り、色々とお話しくださいましてありがとうございました。最後に読者へメッセージをお願いします。

福島 『海道東征』では、これまでにない新しい光を作品に照らしたいと考えております。過去3度聴かれた方にも是非とも聴いて頂きたい。また、前プロの『未完成』では、朝比奈先生のDNAを受け継ぐ大阪フィルハーモニー交響楽団の資質を活かし、最近流行の軽快な演奏とは対極にある、重厚で深遠な音楽を奏でたいと思っています。チェリビダッケより遅いテンポとなる予定です(笑)。どうぞ、ご期待ください。

皆さまのお越しをコンサート会場でお待ちしています! (C)h.isojima

皆さまのお越しをコンサート会場でお待ちしています! (C)h.isojima

取材・文=磯島浩彰

葉加瀬太郎コンサートツアー2019『Dal Segno ~Story of My Life』がテレビ生中継決定

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2019年8月にリリースされたニューアルバム『Dal Segno ~Story of My Life』を引っ提げ全国ツアー開催中の葉加瀬太郎。2019年12月26日(木)の東京国際フォーラム公演がWOWOWで独占生中継されることが決定した。

『Dal Segno ~Story of My Life』は、自身の音楽の原点に立ち返るべく、影響を受けてきたクラシックはもちろん、歩んできた音楽体験をまとめた全曲新録のカバーアルバム。クラシックとポップスの融合、さらに、ラテン、タンゴ、ハバネラ、ロック、映画音楽から日本の音楽までボーダーレスに幅広く楽しめるこの作品をフィーチャーしてラウンドする今回のステージは各地で反響を集めている。そのクライマックスに位置する本公演で、音楽の醍醐味を楽しみたい。

辻井伸行の熱演に拍手喝采 ケント・ナガノ指揮ハンブルク・フィル現地公演が終演~日本ツアーは10/31開幕

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2019年10月31日(木)より全国7箇所で行われるハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の日本ツアーに先立ち、ピアニストの辻井伸行が、10月27日(日)・28日(月)現地ハンブルクのエルプフィルハーモニーで行われた同団の定期演奏会に出演した。公演曲目は日本公演の東京(10月31日(木))、名古屋(11月2日(土))、大阪(11月4日(月・祝))でも演奏される、ベートーヴェン「エグモント」序曲、リストのピアノ協奏曲第1番、マーラーの交響曲第5番。

公演に先立って行われたリハーサルで辻井と指揮のケント・ナガノは初顔合わせ。リハーサルを終えたナガノは辻井を、「見事なまでにクリアな方向性を感じさせる演奏で、大変感動した。ともに演奏できることを大変光栄に思う」と称賛した。実は辻井にとってリストの協奏曲第1番は初めて披露する曲。この日の為に入念な準備を重ねリハーサルに臨んだだけに、マエストロからの想像以上の賛辞に辻井も大変感激していた。

Photo:Claudia Höhne / Philharmonisches Staatsorchester Hamburg

Photo:Claudia Höhne / Philharmonisches Staatsorchester Hamburg

エグモント序曲で始まる今回のプログラム。ベートーヴェンの作風にある「苦悩からの歓喜」を、僅か10分程度のこの曲でナガノは丹念に想いを込めて表現してゆく。華々しく終わる序曲から、この後に控えるリストの協奏曲への期待を一層膨らませていく。

序曲を終え、舞台上にピアノが運ばれ辻井の出番となる。冒頭からリストならではの華やかでピアニスティックな演奏が展開されていく。辻井の得意とする繊細で柔らかな音色でオーケストラと掛け合う場面もあれば、互いに丁々発止のスピード感あふれるスリリングな展開を繰り広げる場面もあり、この協奏曲とオーケストラ、そして辻井の相性の良さを存分に楽しめる時間である。熱演を終えた辻井は現地ハンブルクの聴衆に熱狂的に受け入れられ、度々ステージに呼び戻されていた。

Photo:Claudia Höhne / Philharmonisches Staatsorchester Hamburg

Photo:Claudia Höhne / Philharmonisches Staatsorchester Hamburg

後半のマーラー交響曲第5番は、マーラーの作品の中でもマスターピースと言える大曲。オーケストラの醍醐味を存分に体感できるこの作品で、ナガノは丁寧に旋律を描いてゆく。こちらも入念なリハーサルを経て迎えた演奏とあって、アンサンブルは考えぬかれ、旋律の掛け合いも見事に描かれ、マーラーの意図するところをナガノは余すことなく汲み上げ音楽を創ってゆく。怒涛のクライマックスを経てこの大曲を聞き終えた後の充実感はなかなか得難い経験と言えるだろう。

ハンブルク州立歌劇場の現総監督を務めるナガノの遥か昔の前任者は、他でもないこの曲を創ったマーラー、彼自身である。「長い伝統によって培われてきたオーケストラの独特の響きと音色を日本の皆さんにもぜひ楽しんでもらいたい」。ナガノの想いを日本の聴衆に余すことなく伝える準備は整ったようである。この貴重な経験を日本で味わえる瞬間が間もなく訪れようとしている。

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